恋する彼女の不器用な舞台 - Official Website

ギャラリー

早朝の文芸部室登校
真優
「はい、おんぶ」
 真優は自動ドアが反応しないギリギリの位置で立ち止まり、
 俺を見上げる。
 無邪気に甘えてくる態度は可愛いのだが、年相応とは
 言えない幼さだ。
一悟
「……分かってるよ。約束だもんな」
 真優に背を向けて、地面にひざまずく。
真優
「……よいしょ」
 真優の重みを感じつつ、立ち上がる。
一悟
「あれ……また軽くなったか?」
真優
「そんなことないと思うけど……もしかして、
 前より柔らかくないってこと?」
一悟
「柔らかさがどう関係あるんだ?」
真優
「ここのボリューム的な意味で」
 背中でみじろぎして、ぐりぐりと胸を押しつけてくる。
一悟
「……行くぞ」
真優
「ノーコメントなんだ! やっぱり減ってるんだ!?」
一悟
「そういう意味じゃない! 変な話題を振るなってことだ」
真優
「一悟にとってもこれは重要な話題だよ、将来的に!」
一悟
「どんな将来を思い描いてるんだよ!?」
真優
「そんなの当然結――」
一悟
「ちょっと待て真優、コンビニに着いたから」
真優
「むうぅぅぅ……っ」
一悟
「いくら早朝だからって、人通りはあるんだから。
 大声出したら注目されるぞ」
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