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さて、じゃあ俺も――と思ったところで、
廊下の途中の開き戸が目に入る。
- ×啓人
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「?」
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ぽつんとひとつだけその場にあるため、寮生の居室では
ないことは明らかなんだが、記憶にも残っていない。
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何の気なしに扉を開けてみる――
- ×いつみ
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「んー。あれ、ちょっときつくなっちゃったかな……?」
- ×いつみ
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「うそぉぉ……そこまで食べてないと思うんだけどなぁ」
- ×啓人
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「え、あ、わっ」
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なんということでしょう。
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むわりとした熱気の奥に、あられもない姿があった。
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見ちゃいけない。
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この状況を見続けていると、コンマ秒単位で俺の存在が
社会的に死んでいく。だから見ちゃいけない。
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頭では分かっているのだが、本能の前では無力だ。
- ×いつみ
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「あぁぁ、この前音杏とピザ食べたけど、それなの?
それなのかぁぁ……?」
- ×いつみ
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「うー。朝のトレーニング量、上げようかな……」
- ×小夏
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「あれ? お兄ちゃんなにしてるのー?」
- ×いつみ
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「ぇ? お兄ちゃ――」
- ×いつみ
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「っ……!?」
- ×啓人
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「あー。その、ええっと……」
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小夏の声に反応した瀬能さんがこちらを見る。
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そして途端に、目を大きく見開いた。
当たり前だ。
- ×啓人
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「あ、これは、だから……おはよう」
- ×いつみ
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「お、おは、よ」
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なんとかして言葉を発すると、ぶるんと全身を身震いさせる。
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そのはずみで、胸元の凶悪なふくらみがたゆんと揺れた。
- ×啓人
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「っ……!!」
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無理だ! 見ないとか無理!