- 百花
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「のんびりあそぶ、それがおしごと。だから、あそぼ」
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百花ちゃんはそう言うと、プールの水をかけてきた。
- 真里亜
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「ふふっ、そうですね。楽しく遊んでいただくのが一番ですわ」
- 一悟
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「わわっと」
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真里亜さんまで水をかけてくる。
- 百花
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「ね。ほら、一悟も」
- 一悟
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「あ、ああ……」
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俺は控えめに水をすくって、波立たせる。
- 百花
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「仲間にえんりょはいらないから、ほら、ばしゃー」
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のんびりした声とは裏腹に、大量の水しぶきをたてる百花ちゃん。
- 百花
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「へい、かもんー」
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続けざまに、ばしゃばしゃと水しぶきをたてる。
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自分自身にも、大量にかかってしまうほどに。
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だから……
- 一悟
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「っっっ!?」
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肌が透けてしまうほどに、水着が濡れていた。
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そうか、白い水着って透けるのか――!?
- 百花
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「んぅ、一悟? どしたの?」
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固まっている俺に気付いて、百花ちゃんが首を傾げる。
- 一悟
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「あ、あのさ、百花ちゃん、その……っ」
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どう伝えたらいいんだろう?
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助けが欲しくて、チラッと真里亜さんの方を見る。
- 真里亜
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「…………ふふ」
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自分の主のピンチだというのに、真里亜さんは
俺の視線に微笑み返すだけだ。