- 百花
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「演劇部へようこそ。来てくれて、すごく嬉しい。
精一杯おもてなしする」
- 真里亜
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「お席にご案内いたします。どうぞ、こちらへ」
- 一悟
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「あ、ああ……ありがとうございます」
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真里亜さんに促されるまま、用意された席に座る。
- 真里亜
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「お飲み物はなにがよろしいですか? お紅茶も
コーヒーも、ジュース類でも、仰せのままに
ご用意いたしますよ」
- 一悟
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「あ……ああ、その……」
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優雅すぎるこの空間でなにを飲めばいいのかなんて、
想像もつかない。
- 千奈
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「私は……百花と同じものでいいです」
- 百花
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「真優ちゃんはなにがいい?」
- 真優
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「カレー」
- 一悟
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「カレー!?」
- 真優
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「カレーは飲み物って言うでしょ」
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無理を言って、意地悪をするつもりらしい。
- 一悟
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「こら、真優――」
- 真里亜
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「ご心配なく。缶ジュースシリーズでは2007年版、
2010年版、炭酸系では2社ほど取り揃えております」
- 真里亜
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「もちろんカレーパウダーをご指定いただければ、
今からカレースープをお作りいたしますよ」
- 真優
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「す、隙がない……」
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真優は悔しそうに呟きつつ、ラムネ風のものをリクエストした。
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……カレーの缶ジュースなんてあるんだな。びっくりだ。
- 百花
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「一悟も、えんりょしないで、なんでもりくえすとおっけー」
- 一悟
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「……コーヒーで。詳しくないので、真里亜さんのおすすめで……」
- 真里亜
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「ふふ。かしこまりました」