- アリス
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「んんっ、ひゃんっ……!? んくっ……ぁっ……」
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布で遮られて手がどかせずに、振動だけがアリス会長の
胸に伝わってしまう。
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会長の胸がたゆんと揺れるのが、服越しでも分かってしまった。
- 一悟
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「っ……! す、すぐにどきますね」
- アリス
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「あ、ああ。ケガをしないようにだけ、気を付けてくれ」
- 一悟
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「分かりました」
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こんな状況でも気遣ってくれるアリス会長を尊敬する。
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なるべく胸に触っている手に力を入れないようにしながら、
身体を起こそうとする。
- アリス
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「あっ、んんぅっ! はぁっ……ぅう……っ」
- 一悟
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「あ、また……! すみません!」
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気遣ってくれる会長に申し訳ない気持ちでいっぱいに
なるものの、暗幕の重量はあまりにも厄介だった。
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それに会長の口から漏れる声があまりにも甘やかで、
変な気分になりそうで……
- アリス
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「いや、いいんだ。この状況なら仕方ない……
気にしないでくれ」
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頬を赤らめたまま、アリス会長が慰めてくれる。
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その表情や仕草が、あまりにも可愛らしくて……
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普段の堂々とした表情とのギャップが大きすぎて、
つい見入ってしまう。
- アリス
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「…………」
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アリス会長も、そわそわと視線をさまよわせながらも
俺を見上げてくる。
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相手の反応が気になるのはお互い様なのか、そのまま
無言で見つめ合ってしまう。
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暗幕の息苦しさで、呼吸も荒くなってきて……なんだか
妖しい雰囲気に包まれる。