光の女神アーリアと闇の女神アンリによって
統治される世界『フィリアスワールド』。
かつて、そこには光と闇の戦いがあった。
長い戦いの果て、光の眷属の代表である勇者フィオナと魔王アスタロスは
ついに一騎打ちで決着をつけることに。
しかし、その戦いの結末は不明。勇者も魔王も共に姿を消し、
それから10年の歳月が流れた。
…………
……
『うーん、記憶喪失か……まあ、なんとかなるだろう』
その青年は記憶を失っており、森の中をずっと彷徨っていた。
やがて青年が辿り着いた小さなお店は『カフェ・ソルシエール』。
そこは魔女見習い三人のウェイトレスと店長が明るく
楽しく過ごしている宿屋兼喫茶店だった。
『ルフナ』は生真面目だけど、とってもチョロ可愛い子。
『キャンディ』は小さいけど、いつも頼りになる母性たっぷりの子。
『エリア』は無口無気力で無表情。なんでもゴーレム任せの少し困った子。
『アッサム』は丁寧でしっかりものだけど、実は超ウブな店長さん。
青年は四人から『タロウ』と仮の名前を与えられ、記憶を取り戻すまで
喫茶店で働くことになり、さまざまな出来事に巻き込まれていく。
時にはラッキースケベなハプニングも! さらには困っている人たちを助けたり、
冒険をしたり、モンスターと戦ったりも!? 街の女の子や手の平サイズの妖精、
陽気な親友たちも一緒に毎日が笑顔だった。
そう過ごしていくうちに、タロウは記憶喪失のことなんて
気にならなくなってきたのだが……
ある頃から、幾度も夢を見る。
――『魔王との戦いに赴く夢』
――『勇者が魔王城に攻めてくる夢』
夢は眠りから覚めると、直後には記憶から消え去っている。
タロウには徐々に変化が現れ始め、女の子たちは大きな運命の渦に
巻き込まれていくのであったが……