【いずみ】
「お帰りなさい、弥恵ちゃん絵麻ちゃん。元気に帰って来てくれて何よりよ」
【弥恵】
「えへ……ありがとういずみ姉さん。とっても元気だよ」
【絵麻】
「夕飯のお買い物もしてきた」
【和哉】
「そうなのか? 悪いな、旅行帰りに」
【弥恵】
「ううん、いいの。わたしこういうの好きだから」
【絵麻】
「買い物楽しかった」
【和哉】
「二人とも偉いな」
健気さに感激して、頭をなでた。
【弥恵】
「は、はうう……恥ずかしいよぉ兄さん」
【和哉】
「ははは、それじゃあ帰ってからだな」
俺は頭をなでていた手を移動させて、弥恵と絵麻の荷物を持った。
【弥恵】
「ふぇっ……い、いいよ、兄さん。自分で持つよ!」
【和哉】
「遠慮するなって。疲れてるだろうに、買い物までさせて悪かった」
【弥恵】
「本当に大丈夫だよ。帰りのバスで寝てたから……」
【弥恵】
「……あっ」
慌てて抵抗しようとする弥恵から、さっさと荷物を手に取り、肩にかけた。
【和哉】
「ほら、絵麻も」
【絵麻】
「ん」
【弥恵】
「あ、ありがとう、兄さん……」
【絵麻】
「ありがと」
【和哉】
「気にするな」